フィリピンの首都マニラは、安く気軽に行けることから旅好きの間でジワジワと人気上昇中の旅行先です。スペイン統治時代の面影が残るイントラムロス地区をはじめ、ショッピングセンターの集まるマカティ地区、大型のカジノリゾートなど、グルメ・ショッピング・観光を楽しめるスポットが色々あります。
マニラと聞くとネガティブなイメージが先行してしまいますが、想像よりも治安が良かったので他国と同じように観光地を巡ることができました。今回は実際にマニラを観光して分かった、観光に必要な日数、おすすめ観光スポットの地図、観光モデルコースを紹介します。
マニラ観光に必要な日数
日本から直行便で4~5時間のフライトで行けることから、新しい週末旅行先として注目を浴びるマニラ。LCCのセブパシフィック航空やジェットスターが飛んでいるため、2万円台から格安で航空券が手に入ります。マニラ旅行は3泊4日のスケジュールが基本となり、弾丸旅行なら2泊3日でも可能です。マニラは物価も安いので、まさに「安・近・短」の旅行先と言えます。
マニラはバンコクなど他の東南アジア都市に比べ、観光スポットがそれほど多くはありません。そのためマニラ観光に必要な日数は、2日間もあれば十分に足ります。マニラでは世界の名だたる5つ星ホテルに安く泊まれるうえ、高級ホテルの併設した大型カジノリゾートがいくつもあります。あちこち出掛けて観光するよりも、高級ホテルステイを満喫し、ショッピングやカジノを楽しむのがマニラ観光の醍醐味です。また、マニラは人気リゾート地「セブ島」への乗り継ぎ経由地でもあります。マニラを素通りするケースも多いですが、日程が5~6日間あればついでに立ち寄ってみるのも良いかもしれませんね。
マニラ観光の治安は大丈夫?
マニラと聞いて「治安は大丈夫なの?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。一昔前のイメージがあまりにも悪いので、実際に訪れてみると治安は思っていたよりも良いと感じました。もちろん気を付ける必要はありますが、旅行者が観光する分には問題ないレベルではないかと思います。外務省の海外危険情報では、マニラはレベル1の「十分注意」となっています。レベル1は、バリ島やアンコールワットも同じと考えると分かりやすいでしょう。2016年にドゥテルテ大統領が就任してからは、どうやら治安が改善しつつあるようです。
街歩きをするとストリートチルドレンやホームレス、物乞いを見かけました。マニラに限ったことではありませんが、細い路地を歩いたり、夜の一人歩きは危険なので避けましょう。日本ではちょっと考えられないことですが、ショッピングセンターやホテルはもちろんのこと、スーパーやコンビニにまでライフル銃を持ったガードマンが警備をしています。残念ながらスリやひったくりなどの軽犯罪に巻き込まれるケースも多いので、携行品損害補償の付いた海外旅行保険に入っておいた方がいざという時も安心です。
マニラのおすすめ観光スポットの地図
今回紹介する観光スポットは、実際に私達が徒歩とタクシー配車アプリ「Grab」を利用して巡ったものになります。大まかにイントラムロス、マカティ、モールオブアジア、エンターテイメントシティの4つのエリアに分けて観光しました。
①リサール公園 ②カーサマニラ博物館 ③サンオウガスチン教会 ④マニラ大聖堂 ⑤サンチャゴ要塞
①SMマカティ(SMシューマート) ②グロリエッタ ③ザ・ランドマーク ④グリーンベルトモール
①モールオブアジア
①シティオブドリームスマニラ ②オカダマニラ ③ソレアリゾート&カジノ
歴史に触れる!イントラムロス地区観光
それでは、マニラ観光の目玉とも言えるイントラムロス地区から観光をスタートします。私達は、リサール公園の目の前にあるザ・マニラホテルから徒歩で向かいました。ここは1912年に創業し、100年以上もマニラの歴史を見つめてきた老舗ホテルです。あのマッカーサーやビートルズも滞在したホテルなので、旅の記念にぜひ一度は泊まっておきたいところ。
リサール公園
ホテルからマニラの大動脈である「ロハス大通り」を渡り、リサール公園へやってきました。リサール公園は、フィリピンの英雄であるホセ・リサール氏を記念する「リサール・モニュメント」が立つ大きな公園です。
ホセ・リサールは医者や小説家といった様々な肩書を持ちながらも、フィリピンの独立運動をすすめた人物。わずか35歳で処刑され、このモニュメントが立つ場所に埋葬されています。
マニラ市民の憩いの場となっているリサール公園。この日は休日だったせいか、小さな子供連れのファミリーをたくさん見かけました。
大きな噴水池とステージを横目に、公園内を真っすぐと歩いて行きます。
ふと後ろを振り返ると、フィリピン国旗とリサール像の堂々たる姿が。
リサール公園の北東には、巨大なラプラプ像が立っています。彼はキリスト教への改宗を迫るスペインのマゼラン軍を討ち取った人物。ヨーロッパ人からの侵略を防いだ最初のフィリピン人として、ホセ・リサールと並ぶ人気の英雄だそうです。
ラプラプ像の向かい側には、2018年にオープンした国立自然史博物館があります。神殿のような柱が特徴の洋風建築で、周囲でも一際目を引く建物でした。フィリピンの動植物の生態や恐竜の化石などが展示されており、外国人も無料で見学できるスポット。
営業時間:10:00~17:00(月曜定休)
入場料:無料
この他にもリサール公園内には、日本庭園など様々なスポットがあるのでのんびりと過ごしても良いかもしれませんね。
次はリサール公園を横切る「オロサ通り」を歩いて、北へ300mほど進みます。すると屋根付きの歩道が見えてきます。
この歩道を進んだ先に「INTRAMUROS」と書かれた看板があり、ここがイントラムロス地区の入口になります。イントラムロスは敵の侵入を防ぐために造られた城塞都市で、全長約4.5㎞の城壁に囲まれた街です。
スペイン統治時代の面影を残すイントラムロスは、マニラの写真映えNo.1スポット!見どころは、南北に走るメインストリート「ルナ通り」に集まっています。この通りを北へ向かって、真っすぐ歩いて行きましょう。
カーサマニラ博物館
ルナ通りを5分ほど歩くと、カーサマニラ博物館があります。スペイン統治時代の上流階級の生活を垣間見ることができるスポットで、各部屋には高級な家具が展示されています。
石畳と噴水が美しいスペイン風の中庭「パティオ」も。
サンオウガスチン教会
カーサマニラ博物館の真向かいには、サンオウガスチン教会があります。16世紀頃に建てられた、フィリピンで最も古い石造建築の教会です。マニラ唯一の世界遺産ということもあって、絶対に見逃せないスポットのひとつ。
今回は結婚式が行われていたため入場できませんでしたが、それでも十分に凄さは伝わってきました。豪華なシャンデリアや主祭壇、アーチ天井の美しい装飾。ヨーロッパにも引けを取らない荘厳な雰囲気の教会です。
すぐ隣には、サンオウガスチン教会博物館が併設しています。絵画や聖人像など教会の収蔵品が多数展示されており、入場料は100ペソです。
教会の近くにはちょっとした広場があり、そこにメモラーレ・マニラ1945が立っています。これは1945年のマニラ市街戦で命を落とした多くの罪のない犠牲者に捧げる記念碑です。
マニラ大聖堂
サンオウガスチン教会から300mほど進んだところにあるのが、マニラ大聖堂です。まるでヨーロッパを思わせるかのような、大きな鐘楼とクーポラを持つ重厚な佇まいの教会です。
16世紀に建造されたフィリピン最初の大聖堂で、現在見られるのは戦後に再建されたもの。まさかマニラでこれほど立派な大聖堂にお目にかかれるとは驚きでした。
こちらも結婚式が行われていたため主祭壇までは近付けず。週末は結婚式が執り行われることが多いので、内部をしっかりと見学したい人は週末を避けた方が良いかもしれませんね。
美しいステンドグラスやアジア最大のパイプオルガンが見どころです。
大聖堂前には「ローマ広場」があり、市民の憩いの場となっていました。
サンチャゴ要塞
次は、イントラムロスの北端にあるサンチャゴ要塞へとやってきました。チケット売り場で75ペソを支払い入場します。
入場すると、まず「プラザ・モリオーンズ」という中庭があります。
子供達がびしょ濡れになって遊ぶ微笑ましい光景も。
中庭を通り過ぎると、要塞の入口が見えてきます。
現在は平和な観光地と化していますが、第二次世界大戦中は多くのフィリピン人が命を落とした悲しい場所でもあります。
要塞の入口をくぐると、アルマス広場(プラザ・デ・アルマス)があります。広場の中心に立っているのは国民的英雄ホセ・リサール。
銅像の隣にある白い建物は、ホセ・リサール博物館です。
営業時間:火曜~日曜9:00~18:00、月曜13:00~17:00
入場料:無料
要塞跡(ラジャスレイマン劇場)は、なかなか写真映えするスポット。
要塞跡にひっそりと佇むホセ・リサール人形。
要塞の一番奥にある展望台へってみると、パシグ川と対岸のチャイナタウンが見えました。歴史に思いを馳せながら、ゆっくりとイントラムロスの街並みを散策してみて下さいね!