マドリードにあるソフィア王妃芸術センターは、ピカソのゲルニカが展示されていることで有名な美術館です。20世紀の現代アート作品を多数所蔵しており、特にピカソ、ダリ、ミロの三大巨匠の名画は見逃せません。場所はターミナル駅であるアトーチャ駅前に位置しているため、アクセスが良いのも魅力です。
またソフィア王妃芸術センターは素晴らしいことに、通常は10ユーロの入場料がかかるところ、平日夜間と日曜午後は無料で入場することができます。今回は実際にソフィア王妃芸術センターへ無料入場してきたので、開館時間・入場料、見どころ、チケットの予約方法について詳しく紹介していきます。
ソフィア王妃芸術センターについて
開館時間
月曜、水曜~土曜 10:00~21:00
日曜 10:00~13:30(全館開館)
日曜 13:30~19:00(コレクション1と特別展のみ開館)
休館日
毎週火曜、1/1、1/6、5/1、5/15、11/9、12/24、12/25、12/31
入場料
- 大人 10ユーロ(オンライン予約は8ユーロ)
- シニア(65歳以上) 無料
- 子供(18歳未満) 無料
- パセオ・デル・アルデ・カード(ソフィア王妃芸術センター、プラド美術館、ティッセン・ボルネミッサ美術館の入場券セット) 30.40ユーロ
無料入場できる時間
月曜、水曜~土曜 19:00~21:00
日曜 13:30~19:00
※4/18、5/18、10/12、12/6は終日無料入場できます。
所要時間
ソフィア王妃芸術センターの見学にかかる所要時間は、有名作品だけを鑑賞するなら1時間、メインとなるサバティーニ館だけなら2時間が目安となります。サバティーニ館と新館の両方を見学するなら、3時間以上はかかると思っておくと良いでしょう。平日の場合は無料入場できる時間が2時間しかないので、ゆっくりと回りたいのであれば入場料を払って見学するのがおすすめです。
施設・サービス
【セキュリティチェック】
入場時には荷物のX線検査と金属探知機の検査があるので、大きすぎる荷物は持って行くと邪魔になります。
【コインロッカー・クローク】
館内には30×30cm以上の荷物を持ち込めないので、大きな荷物や傘はコインロッカーかクロークに預ける必要があります。
【オーディオガイド】
サバティーニ館と新館では、それぞれオーディオガイドを貸し出しています。日本語を含む9言語に対応しており、1台4.5ユーロでレンタルできます。
【ミュージアムショップ】
サバティーニ館と新館には、ソフィア王妃芸術センターの公式グッズや書籍などを扱うショップがあります。営業時間は月曜・水曜~土曜10:00~20:45、日曜10:00~15:00、火曜定休。
【カフェレストラン・ヌーベル】
新館の0階にはカフェレストランがあるので、歩き疲れたら一息つくことができます。コーヒーや軽食をはじめ、きちんとした食事メニューも提供されています。営業時間は9:00~翌2:00、金曜・土曜は9:00~翌2:30です。
注意事項
- 館内での写真撮影は許可されていますが、ピカソのゲルニカなど一部作品は撮影不可です。フラッシュ撮影と三脚・自撮り棒の使用は禁止されています。
- 館内での飲食、喫煙、ペットの持ち込み、作品に触れることは禁止されています。
- 閉館15分前には展示室より退場となります。
ソフィア王妃芸術センターのチケット購入・予約方法
ソフィア王妃芸術センターの入場チケットは、①現地のチケット売り場、②公式サイトでオンライン予約(英語)、③チケット販売サイトでオンライン予約(日本語)のいずれかで購入可能です。ソフィア王妃芸術センターは、プラド美術館に比べてそれほど混雑しません。そのため無料入場の時間以外は、行列に並ぶことは少ないと考えて良いでしょう。ただし、夏の観光シーズンや休日はチケット売り場に行列が出来ることもあります。
ソフィア王妃芸術センター公式サイトから予約する(英語)
ソフィア王妃芸術センター公式サイトからオンライン購入する場合は、英語での予約となります。チケットの料金の8ユーロに、0.9ユーロの予約手数料が加算されます。現地のチケット売り場で購入するよりも1.10ユーロ安くなります。ただし日付指定が必要で、購入後の変更や払い戻しはできません。
チケット販売サイトから予約する(日本語)
ソフィア王妃芸術センターの入場チケットは、チケット販売サイトのゲットユアガイドから予約することもできます。日本語で簡単に予約することができ、料金は現地のチケット売り場で購入した場合と同じ10ユーロです。こちらも予約日の指定は必要ですが、24時間前までなら無料でキャンセルできるのがメリットです。
ソフィア王妃芸術センターの見取り図
ソフィア王妃芸術センターは、サバティーニ館(Sabatini Building)と新館のヌーベル館(Nouvel Building)で構成されています。サバティーニ館には1~4階、新館には0~3階、それぞれ4フロアずつあります。有名作品はサバティーニ館に展示されているので、この建物を中心に回ると良いでしょう。新館は美術好きでない限り訪れなくても良いと思います。
▲ 新館(ヌーベル館)0階
入口、チケット売り場、インフォメーションカウンター、コインロッカー、オーディオガイド貸出カウンター、ミュージアムショップ、カフェレストランがあります。
▲ サバティーニ館1階
入口、チケット売り場、インフォメーションカウンター、コインロッカー、オーディオガイド貸出カウンター、ミュージアムショップ、中庭があります。展示室は第101~第103室・第105室があり、新館1階の第104室では企画展が行われています。
▲ サバティーニ館2階
展示室の第201~第210室があります。三大巨匠のピカソ、ダリ、ミロの有名作品は2階に展示されているので、時間がない方はこのフロアだけ見学するのがおすすめです。
ソフィア王妃芸術センターの必見作品15選
ソフィア王妃芸術センターには、20世紀を中心とした現代美術作品がテーマ別に展示されています。ピカソ、ダリ、ミロの三大巨匠の作品はどれも素晴らしいものばかりですが、なんといってもピカソの「ゲルニカ」は絶対に見逃せない作品です。縦3.5m、横7.8mもある巨大な作品で、バスク地方にあるゲルニカという町が空爆を受けた時の様子が描かれています。
ダリとダリの妻が描かれている「偉大なる手淫者」、絵画なのに文字が描かれているミロの「カタツムリ、女、花、星」など、必見作品15点を紹介していきます。
画像出典:http://www.museoreinasofia.es/
第206室 パブロ・ピカソ「ゲルニカ」
第201室 パブロ・ピカソ「青衣の女」
第210室 パブロ・ピカソ「静物(死んだ小鳥)」
第210室 パブロ・ピカソ「フルーツボウル」
第205室 サルバドール・ダリ「偉大なる手淫者」
第205室 サルバドール・ダリ「透明人間」
第205室 サルバドール・ダリ「ヒトラーの謎」
第207室 サルバドール・ダリ「窓辺の少女」
第207室 サルバドール・ダリ「後ろ向きに座る女」
第202室 ジョアン・ミロ「パイプをくわえた男」
第209室 ジョアン・ミロ「パームツリーのある家」
第206室 ジョアン・ミロ「カタツムリ、女、花、星」
第208室 フアン・グリス「海を前にしたギター」
第210室 フアン・グリス「バイオリンとギター」
第210室 フアン・グリス「ジョゼット・グリスの肖像」
ソフィア王妃芸術センターの行き方
ソフィア王妃芸術センターは、プラド美術館から徒歩10分ほどの場所にあります。最寄り駅の地下鉄1号線のエスタシオン・デル・アルテ駅(旧アトーチャ駅)からは、徒歩2分ほどでアクセスできます。
スペイン鉄道のレンフェが乗り入れるアトーチャ駅(Atocha)からもアクセスでき、徒歩5分ほどです。
ソフィア王妃芸術センターの無料入場レポート
私達はソフィア王妃芸術センターのすぐ隣に建つ、ホテル メディオディアから無料入場の時間を狙って訪れました。無料入場だと帰りが21時頃になるので、スリの多い地下鉄に乗るよりも、歩いて戻れるホテルの方が安心かと思いこのホテルを選びました。
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ソフィア王妃芸術センターはサバティーニ館と新館に分かれており、南側に建つ新館はガラス張りでモダンな建物です。
北側のサバティーニ館は、入口の左右にガラス張りのエレベーターが設置されている特徴的な建物です。ちょうど無料入場が始まる19時頃には、入場待ちの行列が出来ていました。
サバティーニ館の前はちょっとした広場になっており、公共のレンタサイクルスタンドなどがあります。
入口の前に立つ、巨大な彫刻のモニュメント。
入口を入ってすぐ左手には、チケット売り場があります。チケット売り場の営業時間は、閉館30分前まで(日曜は14時まで)です。無料入場の開始時間から15分程度ずらすと、行列は解消されており、チケット売り場も空いていました。
チケット売り場に行くと、0ユーロと記載された入場チケットが手渡されます。
チケット売り場の近くには、インフォメーションカウンター、オーディオガイド貸出カウンター、コインロッカー、ミュージアムショップがあります。
ミュージアムショップの「ラ・セントラル」です。新館にもミュージアムショップはありますが、サバティーニ館のショップの方が品揃え豊富です。
元々は病院だった建物なので、天井が高く廊下も長いです。
サバティーニ館は、綺麗に手入れされた中庭(パティオ)にも芸術作品が展示されています。時間があれば、絵画鑑賞の合間に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?中庭の出入口は、1階の回廊にあります。
ジョアン・ミロ「月の鳥」
ミロは同じデザインの彫刻作品をいくつか残しているのですが、そのうちの一点です。
動く彫刻(モビール作品)の第一人者、アレクサンダー・カルダー作の「カルメン」
ちょうど紅葉の時期だったので、木々の葉が色付いていました。
上階へは、特徴的なガラス張りのエレベーターで上がります。
1階と2階をメインに見学し、約1時間半ほどで一通りの名画を鑑賞することができました。ソフィア王妃芸術センターは作者別ではなく、テーマ別に作品が展示されているので、お目当ての作品がちょっと探しずらいなと感じました。有名作品だけでもどの部屋で展示されているのか、あらかじめ把握しておくと良いかもしれません。外に出るとすっかり日が暮れて、建物がライトアップされていました。
まとめ
今回の旅ではプラド美術館だけでなく、ソフィア王妃芸術センターでピカソの「ゲルニカ」を見ることも大きな目的の一つでした。思ったよりも見応えがあり、無料入場の2時間だけでも十分に楽しむことができたので良かったです。
館内はそれほど混雑していませんでしたが、やはり「ゲルニカ」の前にはたくさんの人だかりが出来ていました。無料入場や閑散期に訪れる場合はオンライン予約の必要はありませんが、夏の観光シーズンや休日に訪れる場合は予約していった方が良いかもしれません。