台北の玄関口である桃園国際空港は、台湾のフラッグキャリアであるチャイナエアラインと大手のエバー航空がハブ空港として利用している台湾最大の国際空港です。日本へは東京・大阪・名古屋だけでなく、札幌・広島・福岡などの地方都市にも直行便が就航しています。
台北での乗り継ぎ便は、ソウル・香港などの乗り継ぎ便に比べて航空券代が安いのが魅力です。近年は使い勝手の良さや価格の安さから、台北を乗り継いでハワイや東南アジアなどへ旅行する人が増えています。今回は実際に台北でトランジットしてきたので、桃園空港の乗り継ぎ方法とトランジットの過ごし方について紹介していきます。
桃園空港(台北空港)での乗り継ぎ方法
今回はチャイナエアラインの日本→台北→バリ島のデンパサール線を利用した体験をもとに、乗り継ぎ方法を紹介していきます。
搭乗手続き時には、最終目的地までの搭乗券(今回だと日本→台北、台北→バリ島の2枚)が発券されます。受託手荷物はほとんどの場合、最終目的地まで運ばれるので乗継地の桃園空港で受け取る必要はありません。異なるエアラインへ乗り継ぐなど特殊なケースの場合は、搭乗手続き時に係員に確認しましょう。
桃園空港は、見取り図右側のターミナル1と左側のターミナル2に分かれています。チャイナエアラインは行き先によってターミナルが異なり、ターミナル1にはアジア・ヨーロッパ路線、ターミナル2は日本・中国・グアム・ハワイ・オーストラリア・北米路線が発着しています。つまり、日本から東南アジアへ行く場合はターミナル2からターミナル1への移動があります。
桃園空港ターミナル2に到着後、飛行機を降りたらすぐに「Transfer/轉機」と書かれた看板があるので案内通りに歩いて行きます。「乗り継ぎ/Transfer」「入国/Immigration」共に、途中までは同じ方向を歩いて行くことになります。案内通りにしばらく歩いて行くと発着掲示板があります。
発着掲示板にて乗継便の搭乗ゲートを確認します。桃園空港にはA・Bゲート(ターミナル1)とC・Dゲート(ターミナル2)があります。A・Bゲートの場合はスカイトレインに乗ってターミナル2からターミナル1へ移動し、保安検査を受けます。スカイトレイン乗り場は「Transfer A1-A9」又は「Transfer B1-B9」と書かれた看板通りに歩いて行くとあります。C・Dゲートの場合は看板に従ってそのまま保安検査場へと進みます。
保安検査場では乗り継ぎ搭乗券とパスポートを係員に提示し、手荷物検査を受けます。ペットボトルなどの飲料類はここで没収されてしまうので注意して下さい。保安検査を終えたら看板に従いエスカレーターで3階へ上がります。すると、搭乗ゲートや免税ショップがある出国フロアに出ます。
次に搭乗ゲートへ向かいます。乗り継ぎ時間に余裕がある場合は、免税店やカフェなどで時間を潰しても良いですね。搭乗券に記載されているボーディングタイムには搭乗ゲートに居るようにし、くれぐれも乗り遅れないようにして下さい。
ここでゲートオープンまで待ちます。結構混んでますね!
今回のバリ島行きの便が出発するA2ゲートです。
時間通りにゲートオープンし、定刻での出発となりました。台北~バリ線の機体はエアバスA330-300で、シート配列は2-4-2でした。
空港内でのトランジットの過ごし方
桃園空港には、乗り継ぎ客を飽きさせないための施設やサービスが充実しています。乗り継ぎ時間が長い場合は、以下で紹介する空港施設で時間を潰すことができます。
無料休憩エリア
桃園空港には無料で休憩できるスポットがたくさんあります。特におすすめなのが、ターミナル1の2階入国エリアにあるトランジットゾーンです。トランジットゾーンにはソファや長椅子が設置されているのでゆっくりと休むことができ、無料でシャワーも利用できます。実際に利用しましたが無料でタオルが借りられ、海外化粧品ブランドのアメニティが貰えました。
また、仮眠を取るならターミナル2の3階出国エリアにあるレストエリアがおすすめです。窓際のパーテーションで仕切られた部分にはリクライニングチェアが10脚ほど設置されています。
リクライニングチェアはゆったりとした間隔で並んでおり、後ろにはパーテーションがあるのでプライバシーが確保できます。夜間は人通りも少なく快適に過ごせますが、すぐそばにエスカレーターがあるので音が気になる人もいるかと思います。
レストエリアには充電用コンセントが設置されており、横になっても視界に入るので安心して充電できます。
無料シャワー
桃園空港には、24時間利用できる無料シャワー室が6か所あります。
- ターミナル1の1階 手荷物受取所(入国エリア)
- ターミナル1の2階 トランジットゾーン(入国エリア)に2ヶ所
- ターミナル2の1階 手荷物受取所(入国エリア)
- ターミナル2の3階 D1ゲート付近(出国エリア)
- ターミナル2の4階 ラウンジフロアのフードコート内(出国エリア)
今回は、ターミナル2の3階にあるシャワー室を紹介します。このシャワー室はAゲートとDゲートのちょうど中間に位置しているので、B・Cゲートの場合は少し遠いですね。
シャワー室はD1ゲートのすぐそば、アディダスショップに隣接した「スポーツパーク/運動公園」内にあります。
スポーツパークにはランニングマシンやエアロマシン、クロストレーナーといった器具が数台設置されています。
誰でも無料でトレーニング器具を利用できます。
スポーツパークの一角には、ウォーターサーバーも設置されています。冷水・温水・熱水の3種類が出ます。
シャワー室の看板は小さいので、少し分かりにくいかもしれません。
シャワー室は2部屋あります。
それぞれの個室に洗面台と脱衣スペースがあり、鍵もかかるようになっています。
シャワーブースは扉付きなので、荷物や服が濡れる心配もありません。無料なのに清潔感がありますし、シャワーの温度と水圧も良好です。シャンプーとボディソープも完備。
嬉しいことにドライヤーまで付いています。風量強めなので女性の髪でも乾きますよ。
ただしバスタオルは備わっていないので持参するか、D2ゲートのそばにあるドラッグストアで購入して下さいね。
その他無料施設
この他にもマッサージコーナーや図書館、文化パークなど無料で時間を潰せる施設がたくさんあります。分からないことがあればインフォメーションデスクで尋ねてみて下さい。
インターネットコーナーは空港内のあちこちにあります。
D2ゲートのすぐそばには、XBOXで遊べるゲームコーナーもありました。
ラウンジ
ビジネス・ファーストクラスの方、航空会社・アライアンスの上級会員、プライオリティパスをお持ちの方はラウンジでゆったりと過ごせます。チャイナエアラインのラウンジはターミナル1の4階に1か所、ターミナル2の3階と4階の2か所あります。一般の方も有料で利用できる「プラザプレミアムラウンジ」はターミナル1と2の4階にあります。
その他航空会社のラウンジは、
- ターミナル1の4階:キャセイパシフィック航空、日本航空(旧トランスアジア航空のラウンジ)、タイ国際航空
ターミナル2の3階:日本航空(龍騰貴賓室)- ターミナル2の4階:エバー航空、シンガポール航空
ターミナル2の4階ラウンジへはここから上っていきます。先ほど紹介した無料シャワー室もこの一角にあります。
ターミナル1の4階ラウンジはこの階段を上った先にあります。
今回はチャイナエアラインのラウンジを利用しました。このラウンジはチャイナエアラインの上級会員やビジネス・ファーストクラス搭乗者だけでなく、スカイチームの上級会員も利用することができます。営業時間は5:30~23:30です。
2014年末にリニューアルしているので清潔で、洗練された内装になっています。通路には雑誌や新聞が置かれており、この先にラウンジエリアがあります。
通路の途中にはインターネットコーナーやスリーピングルーム、シャワールーム、トイレなどがあります。
シャワールームは至って普通。
シャンプー・ボディソープとドライヤー、バスタオル、バスマットが備わっています。
ラウンジエリアの座席はテーブル席とソファ席があります。照明が抑えられているからムードたっぷりな雰囲気(笑)
朝早くに訪れたせいかフードメニューは種類が少なめという印象を受けました。それでも座席はほぼ満席の状態だから驚きです。
特に人気だったのがこちらのソファ席。ゆっくりネットサーフィンできそうですが、照明がちょっと暗すぎるかな…。
ビュッフェはホットミールが充実しており、点心やサラダバーなどもありました。
ヌードルバーでは牛肉麺をはじめとした4種の麺が頂けます。トッピングも自由に選べます。
ドリンク類は定番のフルーツジュースやコーヒーなど。
トニックウォーターや台湾ビール、札幌ビールなどもありました。
一時入国してトランジットを過ごす方法
乗り継ぎ時間が長い場合は、台湾に一時入国して過ごすのも良いでしょう。一時入国する際は機内で出入国カードを貰って、台湾での滞在先欄に「Transit」または「Transfer」と記入して入国審査官に提出します。
トランジットホテルに宿泊
以前は桃園空港内にエバーグリーントランジットホテルがあったのですが、2015年9月末に営業が終了しています。空港に最も近いトランジットホテルはノボテル台北桃園国際空港、この他に空港からタクシーで約5分のシティスイーツゲートウェイ、約15分のホテルオーチャードパークがあります。
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飛行機を降りたら「Immigration/入境検査」と書かれた方向に進み、入国審査を受けます。受託手荷物を最終目的地まで預けている場合は、手荷物受取所「Baggage Claim/提領行李」は素通りして大丈夫です。到着ロビーに出たらタクシー乗り場を探します。
時間帯によってはタクシー乗り場に行列が出来ていることもあります。
タクシー乗り場には係員がいるので、行き先を告げるとタクシーが配車してもらえます。
個人で台北観光
桃園空港から台北市内までは、バスを利用して片道約1時間かかります。例えば台北市内の夜市などで食べ歩きしたい場合は、食事時間+空港~市内の往復約2時間+出入国審査の約2時間が必要となります。近年、桃園空港の出入国審査は混雑しているので時間に余裕を持って空港に戻ってきましょう。
無料トランジットツアー
桃園空港では無料のトランジットツアーが行われています。対象となる方は少ないかと思いますが、条件が合えば参加してみてはいかがでしょうか。詳細は公式サイトをご覧下さい。
【対象者】
国際線の乗継時間が7時間以上24時間以内の方、パスポートの残存期限が6ヶ月以上ある方
【申込場所】
桃園国際空港到着ロビーの「観光局旅客サービスセンター」
営業時間:ターミナル1は7:00~23:30、ターミナル2は5:30~24:00
【ツアー時間】
午前コース(ターミナル2):8:15発 12:30着
午前コース(ターミナル1):8:30発 12:30着
午後コース(ターミナル2):14:00発 18:15着
午後コース(ターミナル1):14:15発 18:15着
【ツアー内容】
午前コース(三峡鶯歌半日コース):三峡清水祖師廟、三峡老街、鶯歌陶磁器老街、鶯歌台華窯
午後コース(台北市街半日コース):大龍峒保安宮または臺北孔廟、台北101ビル
【注意事項】
各ツアーの定員は18名、先着順で定員になり次第受付終了となる。
大きな荷物は空港内にある有料の「手荷物一時預かり所」に預けること。
まとめ
桃園空港では無料Wi-Fiが利用できますし、施設やサービスが充実しているので乗り継ぎ時間を快適に過ごすことができました。空港内はサービスの一環なのか、クーラーが効きすぎて寒いくらいでしたね(笑)シャワー室も無料とは思えないほど清潔感がありましたが、気になる方はサンダルがあると良いかもしれません。
桃園空港の治安は良いですが、荷物の盗難にはくれぐれも注意して下さい。管理がおろそかになりがちな仮眠中、スマホやPCに夢中になっている時は狙われやすいですよ。