台湾南部の高雄は日本から3~4時間で行ける気軽さと、港町ならではの観光地やグルメが魅力の街です。街のシンボルである龍虎塔、風光明媚な旗津島、海鮮グルメが楽しめる六合夜市といった観光名所があります。近年はアートな街としても知られ、駁二芸術特区にはオブジェや壁画など写真映えするスポットがいっぱい!
高雄は台北よりも物価が安いですし、男女ともに楽しめるスポットが多いので、私達夫婦もすっかり気に入ってしまいました。今回は実際に高雄を観光して分かった、観光に必要な日数、おすすめ観光スポットの地図、観光モデルコースを紹介していきます。
高雄観光に必要な日数
台湾第2の都市である高雄へは、日本各地から気軽にアクセスできるため3~4日程度で訪れるケースが多いです。主な見どころだけであれば、2日間で観光することができます。しかし港町の高雄は海鮮料理も美味しいので、グルメと観光を満喫するなら3日間は欲しいところ。高雄から古都の「台南」を一緒に訪れる場合は、さらに1~2日間あると無理のないスケジュールになります。
高雄観光の目安としては、以下のようなスケジュールになります。
①蓮池潭風景区(半日)
②西子湾・旗津島周辺(半日)
③駁二芸術特区周辺(半日)
④愛河(夜)
⑤六合夜市(夜)※ローカルな雰囲気が好きな方は「瑞豊夜市」がおすすめ
⑥高雄85ビル(1~2時間)
高雄は見どころが点在している街ですが、基本的にMRT(地下鉄)を利用して観光できます。効率的に観光するには、MRT沿線にあるホテルに宿泊するのがポイント。特に高雄駅や美麗島駅など、主要駅近くのホテルを選ぶと便利です。
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高雄の行き方
高雄だけでは物足りないという人は、「台北」や「台南」を一緒に訪れるケースも多いです。台北からは新幹線、台南からは在来線の特急でアクセスするのが便利です。※在来線は中心部の高雄駅に停まりますが、新幹線は少し離れた新左営駅に停まります。
所要時間 | 料金 | |
台湾新幹線(高鉄) | 約2時間 | 片道1490元 |
在来線特急(台鉄・自強号) | 約5時間 | 片道843元 |
所要時間 | 料金 | |
在来線特急(台鉄・自強号) | 約35分 | 片道106元 |
在来線急行(台鉄・莒光号) | 約50分 | 片道82元 |
参考新幹線の切符は、チケット代行サイトのKKdayから事前に購入すると20%割引になる裏ワザがあります。駅の券売機や窓口で買うと片道約5,500円しますが、KKdayだと約4,000円なのでだいぶお得になります。また高雄~台北を往復するなら、新幹線3日間乗り放題で約7,000円の「高鉄3日パス」の方がお得です。好きな区間を何度でも乗車できるので、高雄~台北を往復するだけでも元が取れてしまいます。KKdayは日本語サイトなので、安心して予約できる点もポイントです。
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高雄のおすすめ観光スポットの地図
今回紹介する観光スポットは、実際に私達がMRT(地下鉄)や鉄道(台鉄)を利用して巡ったものになります。大まかに1日目は蓮池潭風景区、2日目は西子湾・旗津島周辺、3日目は駁二芸術特区周辺に分けて観光しました。愛河や六合夜市といった他のスポットは、夜などのスキマ時間に訪れました。
①蓮池潭風景区 ②打狗英国領事館邸 ③旗津島 ④打狗鉄道故事館(高雄鉄道博物館) ⑤駁二芸術特区 ⑥⑦愛河クルーズ船乗り場 ⑧高雄85ビル ⑨六合夜市 ⑩美麗島駅 ⑪中央公園駅 ⑫三鳳宮
蓮池潭風景区(龍虎塔)
それでは、メインステーションの高雄駅から観光をスタートします。まず最初に訪れるのは、高雄観光の目玉とも言える蓮池潭風景区。高雄中心部からは少し離れていますが、高雄駅から左営駅まで鉄道に乗り15分ほどでアクセスできます。※左営駅の隣には、新左営駅という似た名前の駅があるので間違わないようにして下さいね。
左営駅で下車し、駅前から延びる「勝利路」という道を5分ほど歩いて行くと蓮池潭に到着しました。蓮池潭(れんちたん)は、周囲5kmほどの小さな湖の周りに、台湾らしいカラフルな寺廟が立ち並ぶ観光スポットです。
中でも一番人気なのが、七重塔&龍と虎の像が立つ龍虎塔です。高雄のシンボル的な存在なので、ガイドブック等で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?塔へと続く桟橋は、魔物が入ってこられないようにジグザグと折れ曲がっています。
縁起の良い龍の口から入り、縁起の悪い虎の口から出ると、悪運が払われて福がやってくるのだとか!これはぜひとも、ご利益をあやかりに行かないといけませんね~(笑)
龍虎塔から北に向かって歩いて行くと、龍の上に観音様がのった春秋閣をはじめ、啓明堂や孔子廟といった見どころがあります。蓮池潭にある寺廟は、いずれも無料で見学できるのでお財布に優しいのも魅力です。
一際目立っていたのが、高さ22mもある巨大な北極玄帝!右手に剣を持ち、左足で蛇と亀を踏みつけた勇ましい姿の神様です。青い湖面にカラフルな色彩が映える蓮池潭は、なかなか見応えがありました。
行きは鉄道で来ましたが、帰りはMRTレッドラインの左営駅から中心部へ戻ると歩く距離が少なく済みます。また蓮池潭の観光ついでに、隣の巨蛋駅の近くにある瑞豊夜市へ行くのもおすすめです。有名な六合夜市よりも規模が大きく、地元っ子で大賑わいの夜市でしたよ!
打狗英国領事館邸
2日目は西子湾・旗津島周辺を観光しますが、この二つは方面が同じなので一緒に観光してしまった方が効率的です。観光の拠点となるのは、MRTオレンジラインの西子湾駅になります。
まず最初に訪れる打狗英国領事館邸へは、駅から歩いて行くと15分かかるのでバスで行くのがおすすめです。西子湾駅の2番出口前のバス停から、市バスの99番またはシャトルバスの橘1番(オレンジ1番)に乗り「雄鎮北門」にて下車します。99番バスは1時間に1~2本、橘1番バスは1時間に4本くらいの間隔で運行しており、料金は片道12元です。
タイミング良く来たバスに乗り、10分ほどで打狗英国領事館邸に到着しました。
開館時間:9:00~19:00、土日祝9:00~21:00
休館日:毎月第三月曜
入場料:99元
打狗英国領事館邸は、今から約140年前にイギリスによって建てられた領事館邸です。山の上と下に建物があり、こちらは山の下にある領事館事務室です。建物の前には当時の様子を表す蝋人形が展示され、観光客に人気の撮影スポットとなっていました。
事務室の中に入ってみると、イギリス領事と清の高官が交渉する様子が再現されていました。結構リアルな人形なので、一人で見学していたらドキッとしてしまうかも(笑)
事務室の裏手には小高い山があり、美しい英国式ガーデンが整備されています。
山の上へは、この登山古道を登って行きます。見た目よりも結構急な階段なので、足元には気を付けて下さいね。
階段の途中には、領事を務めたロバート・スウィンホーの蝋人形があります。
ハアハア息切れしながら…山の上の領事館邸に到着しました~(笑)青空に赤レンガの美しい建物が映えてますね!
領事館邸は高雄最古の西洋建築で、現在は高雄の歴史を伝える博物館として利用されています。有名な下関条約の調印書も展示されていました。
領事館邸の一角には、カフェの古典玫瑰園(ローズハウス)があります。入口付近には、紅茶やローズグッズなどのお土産も販売されていました。まるで高級ホテルのラウンジのような雰囲気ですね。
さらに写真映えを狙うなら、眺めの良いテラス席へ!
このカフェの名物と言えば、英国式アフタヌーンティーセット(2名分で630元)です。今回は日程の都合で食べられませんでしたが、時間があれば召し上がってみてはいかがでしょうか?三段重ねのティーセットで、優雅な気分を味わえちゃいますよ!
外に出てみると、古典玫瑰園(ローズハウス)のガーデンカフェもありました。コーヒーや紅茶が100元~楽しめます。入場チケットにはお得な割引券が付いているので、飲食やお土産の購入時には忘れずに使いましょう。
山の上からは美しい高雄港も一望できます。この日はちょっと霞んでいましたが、特徴的な形をした「高雄85ビル」も見えました。これで打狗英国領事館邸の見学を終えたので、登山古道を下ります。
次は旗津島へ渡るので、フェリー乗り場を目指しましょう。打狗英国領事館邸前の「哨船街」という道を7分ほど歩くと、アーチ状の橋が見えてきます。この橋を渡った先に、旗津島行きのフェリー乗り場(鼓山輪渡站)があります。
旗津島
高雄⇔旗津フェリーの運行時間は5:00~翌2:00、チケット料金は片道40元。高雄からわずか5分程度で旗津島へ渡れるので、思い立ったら気軽に観光へ行けちゃうのが魅力です。
旗津島でのお楽しみと言えば、港町ならではの海鮮グルメ!メインストリートの「廟前路」には海鮮料理店が軒を連ね、新鮮な魚・貝・エビなどのシーフードが並んでいました。
私達は有名な旗津海鮮店でランチを食べることに。牡蠣やハマグリの炒め物、白魚の天ぷら、どれも新鮮で美味しかったですよ~。
お土産を買って帰るなら、旗津海水浴場のそばにある旗后観光市場に立ち寄ってみましょう。市場の中には海鮮みやげを扱うお店が軒を連ねており、スルメイカやホタテの貝柱、海苔のスナック菓子などが手頃な価格で購入できます。
この他にも「旗後灯台」「旗後砲台」「旗後天后宮」といった見どころがあるので、ぜひゆっくりと島内散策してみるのがおすすめです。
旗津島から高雄に戻ってきたら、フェリー乗り場の近くにあるかき氷ストリートに立ち寄ってみてはいかがでしょうか?台湾名物の「マンゴーかき氷」が安く味わえちゃいますよ!
打狗鉄道故事館(高雄鉄道博物館)
3日目は駁二芸術特区周辺の観光をします。まずはMRTオレンジラインの西子湾駅で下車し、2番出口のすぐそばにある打狗鉄道故事館(高雄鉄道博物館)を見学します。
営業時間:10:00~18:00
休館日:月曜(祝日は除く)
入場料:無料
打狗鉄道故事館は、日本統治時代に建てられた旧高雄港駅です。廃線となった現在は博物館として利用されており、鉄道資料室、駅長室、待合室などが見学できます。
レトロ感たっぷりの駅長室。年季の入った机やハンコを見ていると、なんだか懐かしい気分になりますね~。
駅舎の裏手にはホームがそのまま残っており、古い列車が展示されています。
堂々たる佇まいの蒸気機関車も!まるで昭和にタイムスリップしたような気分に浸れるスポットでした。
駁二芸術特区
次に駁二芸術特区を観光しますが、打狗鉄道故事館の裏手にあるLRT哈瑪星(はません)駅をスタート地点にすると分かりやすいです。駁二芸術特区は大まかに3つの倉庫群エリアに分かれており、LRT哈瑪星駅 → 蓬莱倉庫群 → 大勇倉庫群 → 大義倉庫群 → LRT駁二大義駅の順に観光していくのが一番スムーズです。
駁二芸術特区は、日本統治時代に使われていた倉庫群をアートスポットとしてリノベーションした、高雄で最も注目の観光スポットです。敷地が広くてかなり歩きますが、写真映えするスポットがいっぱいあって夢中になれるので、思っていたよりも大変さは感じませんでした。
LRT哈瑪星駅をスタートすると線路の引かれた広場があり、スーツケースのオブジェが目に入ります。駁二芸術特区に数多くあるオブジェの中でも、シンボル的な存在となっています。
ラッパのオブジェ。廃材を利用して制作されているのでしょうか?
クモの足のような形をしたブランコは、人気の撮影スポット。広場の先に見えているのは、蓬莱倉庫群です。
倉庫群の一つは「哈瑪星台湾鉄道館」になっており、倉庫前にはミニ鉄道も走っていました。
うねうねとしたヘビのようなオブジェ。
腰に手を当てた可愛い像は、工員と漁婦。工業と漁業の街「高雄」を象徴したオブジェです。
その先に進んで行くと、巨大な工員と漁婦も出現しました!ここから大勇倉庫群です。
レンガ倉庫の上にボーっと座っている赤い子と青い子。この像もシンボル的な存在なので、見逃せないポイントの一つです。
ガンダムみたいな巨大ロボット。
見事なコンテナアート!どうやって支えているんでしょう?
立体的に見える3Dアートの壁画。昔の鉄道駅が描かれています。
アイアンで制作された人間の顔。面白い発想ですね!
4体の工員と漁婦。ゆるキャラみたいで可愛い~!
モップを持った人が赤い怪獣と戦っています。う~ん、シュール(笑)
カラフルな壁画が描かれた三角屋根の倉庫。
こちらの壁画は、十二支がサーフィンしている絵でしょうか?
撮影で夢中になっているうちに、大義倉庫群まであっという間にやってきてしまいました。倉庫の屋根の上には、イカのような未知の生物がのっています。
上からぶら下がっていたのは、よくよく見るとイルカでした。
倉庫と倉庫の間には、ブランコが吊り下がってします。ここはかなり写真映えするスポットなので、ブランコの席取り合戦が繰り広げられていました(笑)
倉庫の一角には、パイナップルケーキで有名なサニーヒルズ(微熱山丘)もありました。駁二芸術特区にはお洒落なカフェや雑貨店があるので、素敵なお店探しも楽しみの一つです。
トゲトゲしたドーム。公園の中にあったので遊具なのかな?
雲をイメージしているようですが、つぶつぶした感じが不気味…(笑)この他にも紹介しきれないほどたくさんのアート作品があったので、ぜひ自分のお気に入りを見つけに出かけてみて下さい。端から端まで飽きることなく楽しめましたよ!
中心部のホテルに帰る場合は、倉庫群と並行して走るLRT駁二大義駅から乗ってMRT西子湾駅に戻ります。時間があるならこのまま徒歩で「愛河」へ行ったり、LRTを利用して「高雄85ビル」に行くのも良いでしょう。
高雄85ビル
高雄85ビルは、高さ378mを誇る街のランドマークタワーです。台北101が完成するまでは、台湾で最も高いビルとして知られていました。ちょっと変わった形をしたビルですが、これは高雄の「高」という字を表しているそうです。
74階には展望台があり、360度ぐるりと高雄の街を一望できるビュースポットとなっていました。とても大きなビルなので、南側の「新光路」側から入るとチケット売り場を見つけやすいです。
営業時間:9:00~22:00
入場料:250元
高雄85ビルの46~70階には、高雄を代表する高級ホテルの85スカイタワーホテルがあります。客室からは同じような景色を眺めることができるので、このホテルに宿泊して展望台には登らないという手もアリだと思います。