マドリードの玄関口であるマドリード・バラハス空港は、ターミナルビルが5つあるスペイン最大の空港です。正式名称は元首相の名にちなみ、アドルフォ・スアレス・マドリード・バラハス空港と言います。
2016年10月からは直行便も就航して、ますます身近になったマドリード。空港ターミナルビルと空港から市内へのアクセス方法について紹介します。移動手段は地下鉄・電車・バス・タクシーがありますので、自分に最適な方法で移動してくださいね。
マドリード・バラハス空港
マドリード空港は約70もの航空会社が乗り入れる巨大空港です。まずはマドリード行きの直行便と乗継便、空港ターミナルビル、到着~入国までの流れについて紹介していきます。
マドリード行きの直行便
2016年10月19日より、スペインの航空会社であるイベリア航空が東京/成田ーマドリード線を就航させています。現在のところ、日本とスペインを結ぶ唯一の直行便です。
現在は週5便を運航しており、2020年6月からは週7便での運航が予定されています。マドリード空港の発着ターミナルは「T4S」です。イベリア航空はワンワールドに加盟しており、スペイン国内線も多数就航させています。バルセロナ、グラナダ、セビリアといった人気の観光都市へ乗り継ぐこともできます。
▼ 運航スケジュール
東京/成田 12:20 → マドリード 18:35 月・水・金・土・日
マドリード 13:00 → 東京/成田 10:45(翌日) 火・木・金・土・日
マドリード行きの乗継便
日本からマドリードまでは、日系、アジア、ヨーロッパ、中東と様々な航空会社が乗継便を飛ばしています。航空券が激安なのはアエロフロートロシア航空、中国国際航空、エティハド航空、カタール航空です。ヨーロッパの航空会社の中では、アリタリア航空やエアベルリンが安めの傾向にあります。日本航空はブリティッシュエアウェイズ、全日空はルフトハンザドイツ航空とのコードシェア便です。
- 日本の航空会社:JAL日本航空、ANA全日空
- アジアの航空会社:大韓航空、中国国際航空
- ヨーロッパの航空会社:エールフランス航空、KLMオランダ航空、ルフトハンザドイツ航空、アリタリア航空、ブリティッシュエアウェイズ、スイスインターナショナルエアラインズ、エアベルリン、フィンエアー、アエロフロートロシア航空、ターキッシュエアランズ
- 中東の航空会社:エミレーツ航空、エティハド航空、カタール航空
マドリード空港のターミナルビル
マドリード空港のターミナルビルは1、2、3、4、4Sの5つに分かれています。ターミナル1・2・3と4・4Sは離れた場所にあり、移動に5~10分ほど時間がかかります。ターミナル1・2・3・4間は無料のシャトルバスが巡回しています。
※ターミナル4Sからはシャトルバスが発着していないので、ターミナル1・2・3へ移動したい場合はターミナル4からシャトルバスに乗ります。ターミナル4と4S間はシャトルトレインが3分間隔で運行しており、乗車時間は約4分です。
また、日本とマドリードを結ぶ代表的な航空会社の発着ターミナルは以下の通りです。たびたび発着ターミナルの変更がありますので、旅行の際はマドリード・バラハス空港公式サイトにてご確認ください。
- ターミナル1:アエロフロートロシア航空、中国国際航空、エティハド航空、大韓航空、ターキッシュエアランズ
- ターミナル2:アリタリア航空、KLMオランダ航空、エールフランス航空、スイスインターナショナルエアラインズ、ルフトハンザドイツ航空(ANA全日空のコードシェア便)
- ターミナル4:エアベルリン、フィンエアー
- ターミナル4S:イベリア航空、ブリティッシュエアウェイズ(JAL日本航空のコードシェア便)、カタール航空、エミレーツ航空
マドリード到着~入国までの流れ
今回は航空券が激安だったカタール航空を利用し、ドーハ経由でマドリード入り。マドリード空港のターミナル4Sに到着しました。
ターミナルビルに入ると「Exit・Baggage/出口・荷物」と書かれた看板がありますので、案内通りに進みます。しばらくすると入国審査場がありますので、入国審査を受けます。
※私達はドーハ経由だったので入国審査がありましたが、ヨーロッパのシェンゲン協定国経由の場合は入国審査がありません。
入国審査を終え、また案内通りに進むとシャトルトレイン乗り場に到着します。
ターミナル4S(T4S)はターミナル4(T4)とシャトルトレインで結ばれているので、手荷物受取所があるターミナル4へ移動します。
シャトルトレインの運行間隔は3分、乗車時間は約4分。乗り遅れてもすぐに次の電車が来ますので焦らなくて大丈夫です。
ターミナル4に到着したら「Baggage and way out」と書かれた看板通りにエスカレーターで上階へ。案内に従って、手荷物受取所へ進みます。
手荷物受取所に到着後は、電光掲示板で自分の荷物が出てくるレーンを確認します。ターミナル4には、19本ものレーンがありますので間違わないように気を付けてくださいね。
入国審査はスムーズでしたが、大きな空港なので飛行機を降りてから手荷物受取所に辿り着くまで15分くらいかかりました。荷物を受け取ったら、出口へ向かいましょう。
※他のターミナルに到着した場合も入国までの流れは大体同じなのですが、シャトルトレインでの移動があるのはターミナル4Sだけです。
空港から市内へのアクセス方法
マドリード・バラハス空港は、マドリード中心部から約15キロ離れた場所に位置しています。
大都市の空港にしては市内中心部から近い空港で、市内へのアクセス方法も地下鉄・電車・バス・タクシーといった選択肢があるので便利です。
地下鉄(メトロ)
マドリード空港にはメトロ8号線が乗り入れており、終点のヌエボス・ミニステリオス駅(NUEVOS MINISTERIOS)で他のメトロラインやレンフェ近郊線に乗り継ぐことで市内中心部へアクセスすることができます。※ただし空港から中心部へは最低2回の乗り換えが必要なので、早朝や夜間の利用はおすすめしません。
- 空港駅:T1-T2-T3駅とT4駅の2駅がある
- 乗り場:T1-T2-T3駅はターミナル2と連絡通路で繋がっており、T4駅はターミナル4の到着フロアより1つ下の階にある
- 路線番号:8号線
- 乗り継ぎできる路線:メトロ6号線・10号線、レンフェ近郊線
- 運行時間:早朝6:00~深夜1:30
- 所要時間:T4駅からヌエボス・ミニステリオス駅まで約20分
- 料金:通常の地下鉄料金1.5~2ユーロ+空港追加料金3ユーロ
メトロを利用した場合の最短ルート
ボーダフォン・ソル駅:空港駅からメトロ8号線でヌエボス・ミニステリオス駅へ → メトロ10号線に乗り換えてプラサ・デ・エスパーニャ駅へ → メトロ3号線に乗り換えてボーダフォン・ソル駅到着(所要時間約35分)
エスタシオン・デル・アルテ駅(旧アトーチャ駅):空港駅からメトロ8号線でヌエボス・ミニステリオス駅へ → メトロ10号線に乗り換えてトリブルナ駅へ → メトロ1号線に乗り換えてエスタシオン・デル・アルテ駅に到着(所要時間約40分)
電車(レンフェ)
ターミナル4と市内を結ぶ電車、レンフェの近郊線(セルカニアス)が運行しています。空港から中心部へ向かう最も安い移動手段です。※ターミナル1、2、3には乗り入れていません。
- 空港駅:ターミナル4
- 乗り場:ターミナル4の到着フロアより1つ下の階
- 路線番号:C1 プリンシペ・ピオ行き
- 運行時間:6:00~0:15
- 運行間隔:約30分
- 所要時間:チャマルティン駅まで13分、アトーチャ駅まで27分
- 料金:2.45ユーロ
ターミナル4の場合は、到着ロビーより一つ下のフロアにメトロ(地下鉄)とレンフェ(電車)の乗り場があります。
エスカレーターを下りると、メトロとレンフェの券売機コーナーと改札口があります。
券売機の使い方やメトロ、レンフェの乗り方など、マドリードの市内交通の詳細については下記ページをご覧ください。
バス
バスは空港と市内をダイレクトに結ぶ空港バスと普通の市バスがあります。
【エクスプレス・アエロプルト/EXPRÉS AEROPUERTO】
空港とアトーチャ駅をダイレクトに結ぶ、24時間運行の空港バスです。※23:30~6:00までの夜間便はシベレス広場が終点となります。基本的に乗客は観光客しかいないので、比較的安全に移動できるうえ、料金もお得なので一番おすすめの移動手段です。
- 発着ターミナル:ターミナル1、2、4 ※ターミナル3からは発着していません。
- 運行ルート:ターミナル4 → ターミナル2 → ターミナル1 → オドネル(O’Donnell)→ シベレス広場(PLAZA DE CIBELES)→ アトーチャ駅(ATOCHA-RENFE)
- 運行間隔:6:00~23:30まで15~20分間隔、23:30~6:00まで35分間隔
- 所要時間:T1ーアトーチャ駅30分、T2ーアトーチャ駅35分、T4ーアトーチャ駅40分
- 料金:片道5ユーロ
- 切符の購入方法:運転手から直接または券売機での購入。どちらも20ユーロ以下の紙幣しか使用できません。
【市バス】
空港から市内へ向かう路線バスです。
- 発着ターミナル:ターミナル1、2、3、4
- 路線番号:200番 アベニーダ・デ・アメリカ・バスターミナル(Avenida de America)行き
- 運行間隔:約10~15分
- 所要時間:約20分
- 料金:1.5ユーロ
- 切符の購入方法:運転手から直接購入する。
ターミナル4の場合は空港を出て目の前の横断歩道を渡った先がバス乗り場になっています。
ここからエクスプレス・アエロプルト(空港バス)や市バス、ターミナル間を巡回する無料シャトルバスなどが発着しています。
空港バスの乗り場には黄色の看板が立っています。
時刻表も掲示されています。
バスの車体は黄色で、大きくEXPRÉS AEROPUERTOと書かれています。
バス内は明るく広々としており、トランクも置ける大きな荷物ラックが設置されています。
ターミナル4からは約40分でアトーチャ駅に到着します。AVEやAVANTの発着するプエルタ・デ・アトーチャ駅と近郊線のアトーチャ・セルカニアス駅の間が空港バスの乗り場になっています。
タクシー
各ターミナルビルの到着ロビーを出たところにタクシー乗り場があります。2014年から、マドリード空港発着のタクシー料金は定額制になっています。空港サービス料や夜間・休日割増などの追加料金はかかりません。市内中心部までの所要時間は、混雑状況にもよりますが30分前後です。料金はそれほど高くないので、人数が多ければ楽に移動できるうえにお得です。
- マドリード中心部をぐるりと囲む環状線のM30号線内であれば、一律30ユーロです。
- 環状線のM30号線外は、走行距離10km圏内まで一律20ユーロです。
マドリードのタクシー料金詳細はこちらの資料に載っています。
空港送迎
夜のフライトや一人旅の場合など、公共交通機関やタクシーで移動するのが不安な方もいると思います。割高にはなりますが、旅行会社の空港送迎サービスを利用すれば安心して市内まで行くことができます。
まとめ
今回はアトーチャ駅前にあるホテルに宿泊したので、空港バス、地下鉄、レンフェ、タクシーと4種類の移動手段があったのですが、お得で安全な空港バスを利用して市内へ向かいました。地下鉄だとスーツケースを引きずりながら乗り換えが必要なこと、レンフェだと運賃は安いのですが運行間隔が30分と長く治安も心配だったので利用しませんでした。
飛行機が遅延し夜にマドリードへ到着したのですが、地下鉄やレンフェと違い観光客しか利用しない空港バスは安心感がありました。バスは時間通りに来ますし、女性でも安心して利用できる雰囲気でしたよ。また空港から市内への移動を考えると、プエルタ・デル・ソル駅周辺よりもアトーチャ駅周辺に宿泊するのが便利だと思います。