中東のカタールにあるドーハ空港は、フラッグキャリアのカタール航空が拠点を置くハブ空港です。航空券が安いことから、イタリアやスペインといったヨーロッパ方面の格安旅行に利用されるケースが増え、日本人旅行者も増加傾向にあります。乗り継ぎ客を大切にしている空港なので、市内観光ツアーやホテル提供サービスなどが行われています。
ドーハ空港でのトランジットは4回目となった筆者、今回は実際に市内観光ツアーに参加してきました。ドーハ空港での乗り継ぎ方法とトランジットの過ごし方について、詳しく紹介していきたいと思います。
ドーハ空港(ハマド国際空港)での乗り継ぎ方法
今回はカタール航空の羽田→カタール→ベルリン線を利用した経験をもとに、乗り継ぎ方法を紹介していきます。
羽田空港のチェックインカウンターは、一番端の「L」カウンターになります。搭乗手続き時には、最終目的地までの搭乗券(今回だと日本→ドーハ、ドーハ→ベルリンの2枚)が発券されます。受託手荷物は多くの場合、最終目的地まで運ばれるので乗継地のドーハ空港で受け取る必要はありません。
ドーハに到着後、飛行機を降りて空港内へ入ると「Arrivals/入国」「Transfers/乗り継ぎ」と書かれた看板がありますので「Transfers」の方向に進みます。
すると「Transfer Screening/セキュリティチェック」「Transfer Desk/乗り継ぎカウンター」と書かれた看板がありますので、「Transfer Screening」へ進み保安検査を受けます。乗り継ぎ搭乗券とパスポートを用意して列に並びましょう。
保安検査を通過したら、発着掲示板にて乗り継ぎ便の搭乗ゲートを確認します。ドーハ空港にはA・B・C・D・Eゲートがあります。空港内はとても広いので、搭乗ゲートを間違えると引き返すのが大変です。特に乗り継ぎ時間が短い方は、早めに行動しましょう。また、搭乗ゲートは変更になることがよくあるので、何度か確認することをおすすめします。
保安検査場からエスカレーターで1階へ下りると、黄色の巨大クマが鎮座する免税店エリアに出ます。ここは免税店や飲食店が集まるエリア。各搭乗ゲートの周辺にはお店がほとんどないので、乗り継ぎ時間が長い場合はこのエリアで時間を潰すといいでしょう。
免税店エリアを中心として、各搭乗ゲートへのコンコースが延びています。各ゲートへ向かう方面には「A」「B」「C・D・E」と大きな看板が出ているので、分かりやすいですね。
さすがはお金持ち国家。スーパーカーが展示されています。
では、乗り継ぎ便が出発する搭乗ゲートへ向かいます。
しばらくすると、今回のベルリン行きの便が出発するC12ゲートが見えてきました。あまり早く行きすぎても時間を持て余してしまうと思うので、上手に時間調整して下さいね。
空港内でのトランジットの過ごし方
ドーハ空港は「中東のハブ空港」と呼ばれるだけあって、乗り継ぎ客用の施設やサービスが充実しています。乗り継ぎ時間が長い場合は、空港内の施設で過ごすか一時入国で時間を潰してみてはいかがでしょうか。
休憩エリア
A~Eまでの搭乗ゲートのコンコースには、リクライニングチェアが設置されたクワイエットルームがあります。足を伸ばして横になれるので、短時間の仮眠場所としては最適です。定期的に警備員も巡回に来てくれるので、女性でも安心して休める雰囲気。飛行機の発着が集中する時間帯は、満席になることもあるほど人気です。
ただ、クーラーが強めなので羽織るものを用意した方がいいと思います。ヒートテックとウィンドブレーカーを着ても寒いくらいでしたから…。またスーツケースなど大きな荷物は足元に置いても問題ないと思いますが、貴重品はくれぐれも目を離さないようにして下さいね。
無料インターネットコーナー
空港内にはあちこちに、無料で利用できるパソコンや充電コンセントが設置されています。特におすすめなのが、Macのパソコンが複数台置かれているインターネットコーナー。空港内ではもちろん、無料Wi-Fiも利用することができますよ。ちなみに空港内のコンセントの形状は、日本とは異なるBFタイプなので変換プラグをお忘れなく。
レストラン・カフェ
レストランやカフェは、黄色のクマがある免税店エリアに集まっています。A~Eの搭乗ゲートのコンコースには、あまり飲食店がないので免税店エリアで済ませておくといいでしょう。正直、ドーハ空港は世界のハブ空港に比べてレストランやカフェが少ないように感じました。スタバもありませんでしたし、定番のファストフード店もバーガーキングくらい。
今回利用したマルシェ(Marché)は、ビュッフェ形式のレストランでした。免税店エリアの端にあるため利用客も少なく、ラウンジのようにゆったりと過ごすことができましたよ。
ラウンジ
空港ラウンジは通常、ビジネスやファーストクラスの方、航空会社やアライアンスの上級会員でなければ利用できない場合が多いのですが、ドーハ空港では誰でも24時間利用できるラウンジ、オリックス ラウンジ(Oryx Lounge)があります。
場所は黄色のクマの右後ろにあるエレベーターで2階に上がったところ。看板が出ているのですぐに分かると思います。利用料金は最大6時間で、55USドル(200カタールリヤル)です。軽食やドリンクが用意されていたり、シャワールーム・ファミリールームがあるなど、空港内のロビーよりも静かに過ごすことができます。またプライオリティパスをお持ちの方は、同じフロアにある アル マハ ラウンジ(Al Maha Lounge)が利用できます。
トランジットホテル
オリックスラウンジの上の階(3階)には、国際線乗り継ぎ客専用のホテル「オリックス エアポート ホテル」があります。制限エリア内にあるので、面倒な入国審査を受けずにチェックインできるのが魅力です。チェックイン時には、搭乗券を提示する必要があります。
滞在時間は最大24時間まで、宿泊料金は標準のスーペリアルームでも約30,000円~とややお高め。ただ、ラウンジとホテルでは疲れの取れ具合が全く違いますから、しっかり休みたい方はトランジットホテルを利用するといいでしょう。
Expedia Hotels.com
agoda Booking.com
一時入国してトランジットを過ごす方法
カタール航空の無料ホテル
カタール航空ではドーハ空港での乗り継ぎ時間が長い乗客に対し、無料でホテルを提供するサービスを行なっています。カタール航空の公式サイトでもアナウンスされていますが、以下の一定条件を満たす場合のみ利用できます。
- 8時間以内の乗り継ぎ便が運航していない場合。
- 乗り継ぎ時間が8時間以上、24時間以内の場合。
- アブダビ、バーレーン、ドバイ、クウェート、マスカット、ラアス アル ハイマ、シャルジャ発着便を含まない旅程。
注意事項としては、
- 航空券の予約クラスによっては、ホテルサービスを利用できない場合がある。
- ホテル手配の申し込み期限は、航空券発券後からホテル利用日の72時間前まで(土・日・祝日を除く3営業日前まで)です。
- ドーハ空港に到着後、コンコースA・Bのトランスファーデスク(Transit Accomodation at City Hotels)にて手続きすること。
- 食事の提供は、座席クラスや乗り継ぎ時間等によって異なる。
- 2015年2月1日より、エコノミークラスで乗り継ぎ時間が11時間以内の場合は、食事の提供がありません。
カタール航空が定期的に行うセールの激安航空券は、ホテルサービス適用外の可能性が高いです。自分達も最安の予約クラス「O」だったため、適用外でした。ドーハは3つ星ホテルでも1泊1万円以上しますから、条件に当てはまる方は利用する価値大だと思いますよ。
個人でドーハ観光
以前はカタールに入国する際、短期滞在であっても100カタールリヤルを支払って、アライバルビザを発行する必要がありました。しかし2016年10月より、ドーハで5~96時間の乗り継ぎまたはストップオーバー(途中降機)の場合はビザが無料になりました。
乗り継ぎビザは、出発の7日以上前(祝祭日を除く)までに申請が必要です。ビザは発効日から30日間有効なので、早く申し込みすぎてもいけません。 乗り継ぎ時間が長いから、ちょっとだけ観光してみたいという旅行者には嬉しい知らせですね。
詳しくは、カタール政府観光局をご覧下さい。
ドーハ市内観光ツアー
カタール航空ではトランジット客のために、ドーハ市内観光ツアーを行なっています。
※以前は無料でしたが、現在は有料となっています。
【ツアー料金】
75カタールリヤル(約2,300円)
【ツアー時間】
8:00、10:30、15:00、18:00、20:00、21:30
※ツアー開始の60分前までにゲートA4近くのトランジットツアーデスクに集合。
【参加条件】
接続便への乗り継ぎ時間が、6時間以上の方
【ツアー内容】
所要時間は3時間で、英語ガイドが案内します。
ザ・パール、カタラ文化村、イスラム美術館、スーク・ワキーフを訪問予定です。
【注意事項】
ツアーの申し込みは、ドーハ空港公式サイトから予約できます。
申し込みは先着順で、定員(46名)に達した場合は参加できません。