2022年7月前半の開始をめざしていた、新たな観光需要喚起策「全国旅行支援」。県民割である「おきなわ彩発見キャンペーン」が実施されている沖縄県でも「全国旅行支援」の開始が待たれています。今回は「沖縄県民割」と「全国旅行支援」の違いを、割引額やクーポン配布額、割引対象者などの点から比較して見ていきます。
【沖縄県】県民割から全国旅行支援へ
コロナ感染が落ち着いている都道府県から順次スタートした「県民割」。沖縄県では昨年の11月から県民を対象に「おきなわ彩発見キャンペーン」が実施され、感染拡大により中断があったものの、感染状況を見極めながら延長されてきました。
この県民割に代わる、新たな旅行キャンペーンが「全国旅行支援」。全国を対象とするもので、当初は7月前半に開始予定とされておりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受けて、延期となることが決まりました。延期に伴い、沖縄では現在実施している「おきなわ彩発見キャンペーン」の実施期間が8月末まで延長となっています。
【沖縄県】県民割と全国旅行支援を比較
沖縄県の県民割である「おきなわ彩発見キャンペーン」と「全国旅行支援」の違いを見ていきたいと思います。
割引額はどうなる?
まずは割引額ですが、最大50%から40%へと引き下げとなる一方、公共交通機関を利用した旅行商品の割引上限額が5,000円から8,000円に引き上げとなります。県民割「おきなわ彩発見キャンペーン」では交通付・宿泊のみ・日帰りプランに関わらず一律5,000円でしたので、全国旅行支援がスタートすると交通付の旅行商品がお得になるということですね。
全国旅行支援(割引率40%)
宿泊のみの場合: 1人1泊あたり12,500円以上の旅行で5,000円の割引
交通付プランの場合: 1人1泊あたり20,000円以上の旅行で8,000円の割引
県民割(割引率50%)
宿泊のみの場合: 1人1泊あたり10,000円以上の旅行で5,000円の割引
交通付プランの場合: 1人1泊あたり10,000円以上の旅行で5,000円の割引
地域クーポンの配布額はどうなる?
県民割を利用して旅行すると付与されるのが、観光施設や飲食店、土産物店などで使える地域クーポン。沖縄県では「地域クーポン」という名称で、県民割の旅行クーポン購入者に配布されてきました。地域クーポンの配布額は、県民割では平日・休日に関わらず一律2,000円分でしたが、全国旅行支援では平日3,000円分、休日1,000円分となります。これまでの県民割でも、平日利用で上乗せ配布された県もありましたが、ほんの一部に限られていました。全国旅行支援では平日のクーポン配布額がアップになることで、旅行者が休日に集中しないように分散化させるということですね。
割引対象者はどうなる?
割引対象者は沖縄県民に限定されていましたが、全国へと拡大します。
※各都道府県からの除外の申請があれば、該当都道府県(この場合は沖縄県)を目的地とする旅行を対象外とすることがあります。
ワクチン接種条件はどうなる?
県民割の利用にあたっては、ワクチン3回接種済またはPCR検査等の結果が陰性であることが条件となってます。今後も3回接種済を条件にすることが予想されるため、全国旅行支援を利用して旅行しようと考えている方は、3回目の接種を済ませておいた方がよさそうです。
沖縄県民割と全国旅行支援の比較
キャンペーン名 | 沖縄県民割 | 全国旅行支援 |
実施期間 | ~7月14日まで ※7月15日チェックアウト分まで | 7月前半~8月末まで ※最繁忙期を除く |
割引額 | 最大50%割引 10,000円旅行クーポンを5,000円で販売 8,000円旅行クーポンを4,000円で販売 6,000円旅行クーポンを3,000円で販売 4,000円旅行クーポンを2,000円で販売 | 40%割引 |
割引上限額 | 交通付プラン:5,000円 宿泊プラン:5,000円 日帰りプラン:5,000円 | 交通付プラン:8,000円 宿泊プラン:5,000円 日帰りプラン:5,000円 |
地域クーポン | 2,000円分 | 平日:3,000円 休日:1,000円 |
対象県民 | 沖縄県 ※隣接県の鹿児島県は停止中 | 全国 |
ワクチン条件 | ①ワクチン接種歴(3回) ②PCR検査等の陰性結果 ※12歳未満は同居する監護者同伴を条件に除外 | ①ワクチン接種歴(3回) ②PCR検査等の陰性結果 ※12歳未満は監護者同伴を条件に除外 |
沖縄県の全国旅行支援はいつから?
沖縄県の全国旅行支援がいつから始まるのか気になるところですが、まだ正式な日付は発表されていません。観光庁の発表によると、「6月中の感染状況を見極めた上で、7月前半から当面8月末まで実施(最繁忙期は除外)」としています。現在実施中の沖縄県民割「おきなわ彩発見キャンペーン」が7月14日宿泊分をもって終了し、7月15日以降は新しいキャンペーンが開始されるとアナウンスされています。
しかし、全国的には新規感染者数が6月下旬から増加傾向に転じており、政府は7月10日の参院選を前に慎重な姿勢をとっています。予定通りの開始は厳しいとの声も出ており、開始時期の判断は参院選後に先送りする方向となりました。また国が主体で実施されていたGoToトラベルとは異なり、全国旅行支援は各都道府県の裁量によって実施されるため、このまま感染者数が増加すれば、実施を見合わせる都道府県が出てくることも予想されます。沖縄県の新規感染者数に関しても、他県と比べて減少幅が小さく高止まりしているため、注意深く見ていく必要があると考えます。この状況を考えると、現在実施されている県民割は再延長の可能性もあり、全国旅行支援は7月後半またはお盆後に開始ということもあり得るかもしれません。
予約済みの沖縄旅行は全国旅行支援の対象になる?
すでに夏休みの旅行やお盆の帰省を予約している方も多いと思いますが、予約済みの旅行は全国旅行支援の対象になるのか気になるところですよね。現時点では、予約済みの旅行が割引適用になるのかについては何も発表されていません。しかし、おきなわ彩発見キャンペーンを含め都道府県民割では「既存予約は割引対象外」とするところが多かったため、全国旅行支援に関しても予約済みの旅行は対象外と予想されます。全国旅行支援の割引を受けるには、予約の取り直しが必要になる可能性が高そうです。