2022年7月前半の開始をめざしていた、新たな観光需要喚起策「全国旅行支援」。都道府県民割である「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」が実施されている京都府でも「全国旅行支援」の開始が待たれています。今回は「京都府民割」と「全国旅行支援」の違いを、割引額やクーポン配布額、割引対象者などの点から比較して見ていきます。
【京都府】都道府県民割から全国旅行支援へ
コロナ感染が落ち着いている都道府県から順次スタートした「都道府県民割」。京都府では昨年の10月から府民を対象に「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」が実施され、感染拡大により一時中断があったものの、感染状況を見極めながら延長されてきました。対象県民に関しても府民限定から、隣県・近畿ブロック県民へと対象者が拡大されてきました。
この都道府県民割に代わる、新たな旅行キャンペーンが「全国旅行支援」。全国を対象とするもので、当初は7月前半に開始予定とされておりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受けて、延期となることが決まりました。延期に伴い、京都では現在実施している「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」の実施期間が7月31日まで延長となっています。
【京都府】都道府県民割と全国旅行支援を比較
京都府の都道府県民割である「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」と「全国旅行支援」の違いを見ていきたいと思います。
割引額はどうなる?
まずは割引額ですが、最大50%から40%へと引き下げとなる一方、公共交通機関を利用した旅行商品の割引上限額が5,000円から8,000円に引き上げとなります。府民割「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」では交通付・宿泊のみ・日帰りプランに関わらず一律5,000円でしたので、全国旅行支援がスタートすると交通付の旅行商品がお得になるということですね。
全国旅行支援(割引率40%)
宿泊のみの場合: 1人1泊あたり12,500円以上の旅行で5,000円の割引
交通付プランの場合: 1人1泊あたり20,000円以上の旅行で8,000円の割引
府民割(割引率50%)
宿泊のみの場合: 1人1泊あたり10,000円以上の旅行で5,000円の割引
交通付プランの場合: 1人1泊あたり10,000円以上の旅行で5,000円の割引
地域クーポンの配布額はどうなる?
都道府県民割を利用して旅行すると付与されるのが、観光施設や飲食店、土産物店などで使える地域クーポン。京都府では「京都応援クーポン」という名称で、府民割利用者に配布されてきました。地域クーポンの配布額は、府民割では平日・休日に関わらず最大2,000円分でしたが、全国旅行支援では平日3,000円分、休日1,000円分となります。これまでの都道府県民割でも、平日利用で上乗せ配布された県もありましたが、ほんの一部に限られていました。全国旅行支援では平日のクーポン配布額がアップになることで、旅行者が休日に集中しないように分散化させるということですね。
割引対象者はどうなる?
割引対象者は京都府民と隣接県・近畿ブロック県民(福井県、三重県、滋賀県、大阪府、兵庫県、和歌山県、奈良県在住者)に限定されていましたが、全国へと拡大します。
※各都道府県からの除外の申請があれば、該当都道府県(この場合は京都府)を目的地とする旅行を対象外とすることがあります。
ワクチン接種条件はどうなる?
府民割の利用にあたっては、ワクチン接種済またはPCR検査等の結果が陰性であることが条件となっており、京都府民は2回接種済(2回目接種より14日間以上経過していること)、隣接県・ブロック県民は3回接種済であることが必要でした。
自県民が県内旅行をする場合、2回接種済でもOKとなっている都道府県も多く、今後も同様に運用される都道府県もあるとのことです。しかしながら、3回接種済を条件にするところが多いと予想されるため、全国旅行支援を利用して他県を旅行しようと考えている方は、早めに3回目の接種を済ませておいた方がよさそうです。
都道府県民割(京都府民割)と全国旅行支援の比較
キャンペーン名 | 都道府県民割(京都府民割) | 全国旅行支援 |
実施期間 | ~7月14日まで ※7月15日チェックアウト分まで | 7月前半~8月末まで ※最繁忙期を除く |
割引額 | 旅行代金が最大50%割引 10,000円以上で5,000円割引 8,000円以上で4,000円割引 6,000円以上で3,000円割引 4,000円以上で2,000円割引 2,000円以上で1,000円割引 | 40%割引 |
割引上限額 | 交通付プラン:5,000円 宿泊プラン:5,000円 日帰りプラン:5,000円 | 交通付プラン:8,000円 宿泊プラン:5,000円 日帰りプラン:5,000円 |
地域クーポン | 旅行代金4,000円以上で2,000円分 旅行代金2,000円以上で1,000円分 | 平日:3,000円 休日:1,000円 |
対象県民 | 京都府 隣接県・近畿ブロック県 | 全国 |
ワクチン条件 | ①ワクチン接種歴 京都府民(2回)、隣接県・近畿ブロック県民(3回) ②PCR検査等の陰性結果 ※12歳未満は同居する監護者同伴を条件に除外 | ①ワクチン接種歴(3回) ②PCR検査等の陰性結果 ※12歳未満は監護者同伴を条件に除外 |
京都府の全国旅行支援はいつから?
京都府の全国旅行支援がいつから始まるのか気になるところですが、まだ正式な日付は発表されていません。観光庁の発表によると、「6月中の感染状況を見極めた上で、7月前半から当面8月末まで実施(最繁忙期は除外)」としています。京都府の新型コロナウイルスの新規感染者数は比較的落ち着いており、現在実施中の京都府民割「きょうと魅力再発見旅プロジェクト」の期間が7月14日宿泊分まで延長されたことを踏まえると、京都府の全国旅行支援は7月15日以降と予想されます。
しかし、全国的には新規感染者数が6月下旬から増加傾向に転じており、政府は7月10日の参院選を前に慎重な姿勢をとっています。予定通りの開始は厳しいとの声も出ており、開始時期の判断は参院選後に先送りする方向となりました。また国が主体で実施されていたGoToトラベルとは異なり、全国旅行支援は各都道府県の裁量によって実施されるため、このまま感染者数が増加すれば、実施を見合わせる都道府県が出てくることも予想されます。この状況を考えると、現在実施されている県民割は再延長の可能性もあり、全国旅行支援は7月後半またはお盆後に開始ということもあり得るかもしれません。
予約済みの京都旅行は全国旅行支援の対象になる?
すでに夏休みの旅行やお盆の帰省を予約している方も多いと思いますが、予約済みの旅行は全国旅行支援の対象になるのか気になるところですよね。現時点では、予約済みの旅行が割引適用になるのかについては何も発表されていません。しかし、県民割では「既存予約は割引対象外」とするところが多かったため、全国旅行支援の割引を受けるには予約の取り直しが必要になる可能性が高そうです。